引夢 仲合、同盟会話
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仲合会話
夢中再会
無剣:はぁ……はぁ……
何かに追われている気がする、ここまで逃げてきたものの、もう体は疲れ果てている。
ここはどこなのかわからないが、私は願っていた、私を助けてくれる人がいるのではないかと。
神秘な声:夢は心を映す……
この声を聴いて、私は頭を上げた。目の前にあるのは果てしない夢幻の景色と、そのどこか安らぎを覚える顔だった。
彼の顔を見ているとなぜか心が落ち着く。
引夢:目が覚めたかな。
この一瞬で、ここがどこなのか理解できた。
無剣:あなたにとっては覚めていても、私にとっては……そうじゃないのかもね。
私の言葉を聞いて、彼は笑った。
引夢:流石は私を呼び覚ました人だね。
無剣:でもあなたは……もう消えたはずでは?どうして……
引夢:はは。
引夢:あなたが存在している限り、私は消えないよ。
無剣:じゃあ……
引夢:疲れたでしょう?
無剣:うん……
引夢:しかしここまでやって来るとは。逃げてどうにかなるわけではないけど、しばらくここにいても構いませんよ。
無剣:……逃げる?
彼は問いには答えず、私の手を取り、この虚無の世界から連れ出した。
引夢:さぁ。
引夢:今日は……私が誘いましょう……
引夢:あなたが良い夢を見れるようにね。
夢入り
引夢:ここは五剣の境。
無剣:私の夢の中の五剣の境なの?
引夢:そう思えばそうであり……そう思わなければそうではない。
無剣:というと?
引夢:付いてきて、すぐわかるよ。
無剣:……はい。
剣塚から出た後、私はなぜか、これから見るであろう景色を楽しみにしていた。
無剣:っひゃ!
突然体が重くなり、足元が崩れ、私の体がまっすぐ下に落ちていくような感覚に陥った。
底のない空間に落ちていく最中、後ろにいるその人が私の手をつなぐと、その感覚は消えた。
引夢:ほら。
彼の指さした方向を見た。
世界が突然明るくなった……眼前にあるのは、風光明媚な桃花島、霧が漂う絶情谷、霊験あらたかな終南山、静寂に包まれた古墓。
その五剣の境の然とした様は、まるでこの世界が初めの姿に戻ったかのようだ。
無剣:それは…
無剣:どうして……
これは私が何度も望んでいた、五剣の境が本来の姿を取り戻した後の真の姿。
引夢:気に入りましたか?
無剣:うん……
引夢:もう少し近くで見てみようか。
引夢は私を導き、ゆっくりと地面に降りた。
夢中の願望
目を開いて見えた光景に、私は驚きと喜びを隠せなかった。
テンコウ:秋水師叔、帰一師叔、お久しぶりです。
テンコウ:下界での修行にて見識を広げ、ただいま戻りました。これからは全身全霊で全真教を守ります。
秋水:おかえりなさい。
帰一:よろしい。此度の修行で君はだいぶ成長したようだ、これからも期待していますよ。
テンコウ:必ずご期待に沿えるよう精進を重ねる所存です。
無剣:これは…
引夢:しーっ……
引夢:彼らの邪魔をしてはいけないよ。
引夢は玉笛を上げ、悠然たる笛の音を奏でた。その刹那、目の前の景色が変わっていき、私はまた違う場所へと連れてこられたようだ。
古墓の内奥、水が石板の隙間に落ち、人の話し声が聞こえてくる。
寒玉金鈴:拂塵師兄、氷魄師兄、誤りを知りそれを自ら改めることほど素晴らしいことはないです。
金糸:帰って来てくれて本当によかった……
拂塵:ふ……お前たち……
氷魄:私は拂塵師兄について来ただけだ。
ハチ:氷魄師兄、さっき門外ではそうは言ってませんでしたよ。
氷魄:もう……!
彼らの話し声が遠のいていく。
無剣:暗闇の中、私は思わず笑った。引夢は私の方を見ると、再び笛を奏で、また他の場所へと移動した。
青光:おい、早く来い。
無剣:…
紫薇:ぼーっとしている姿は相変わらずだな。
無剣:紫薇……
クロガネ:急がなくていい。ゆっくり来い……
無剣:俺は……
私は信じられない気持ちで目の前に立っている三人を見ていた。不意に後ろへ振り向くと、そこにはとても柔らかな表情を浮かべたあの人がいた。
木剣:何をぼーっとしているんだ?ずっとお前を待っていたんだぞ。
無剣:…!
言葉では言い表せない感情が溢れる。彼らの名を呼びたい、しかしどうしても声を発することができない。
傍にいた引夢を見ると、彼はただ微笑んで「どうぞ」の仕草をした。
引夢:さあ、ここでは……何も心配する必要はないんだよ。
私は喜びを隠さずに頷き、その光へ飛び込んだ。
夢中倒影
木剣:ああ、それが賢明かもしれんな。クロガネ、お前はまだ続けるのか?
クロガネ:また明日にしよう。
無剣:でも……
紫薇:帰るぞ。
無剣:ちょっと待って……
私は彼らについて行こうと思ったが、クロガネに止められた。
クロガネ:君はここで待っていろ。
彼らの姿が遠ざかっていく。
私は彼らを追おうとしたが、見えない壁に行く手を塞がれた。
私が追ってきたのを見ると、彼らは振り向いて、厳しい目で私を見つめた。
クロガネ:無剣、もうそれ以上來るな。
無剣:…!
話が終わると前方の景色が崩れ落ち、彼らの姿は光に伴われて消えていく。
笛の音が止まった。私は引夢の手を放し、目の前の幻境を見ていた。
無剣:これは夢……ただの夢なのね。
引夢:そう……ただの夢だよ。
無剣:ここに殘りたいけど……
引夢:私もあなたを引き留めたい……
無剣:でも帰るしか……
引夢:そう、帰らせるしかない……
無剣:私は、世界をこの夢の中の様な世界にしたい、それこそが私の宿願。
引夢:君ならその願いも葉えられるさ。
無剣:例えそのためにこの身が滅んだとしても。
彼の目には悲しみの色が満ちている。私は彼の手を握った。
無剣:ありがとう……こんなに良い夢を見せてくれて。私も決心が固まったわ。
無剣:いつか夢ではなく、本當の五剣の境を復興し、皆が仲良く暮らせる剣境を取り戻してみせる。
私の周りを蝶の群れが囲んでいく。引夢は最後にもう一度私の手を取り、夢の果てへと導いてくれた。
さっきまで見ていた光景が次々と走馬燈のように私の目の前に映る、でも私はもう止まらなかった。
引夢は私を見つめていた、彼の目には惜別の念が溢れている。
引夢:心配するな。
引夢:私はまた眠りにつくけれど……
引夢:私はいつもあなたの心の中で……あなたに呼び覚まされるのを待っているよ。
同盟会話
○○の引夢:そういえば、まさかこういう姿で剣境に現れるなんて、なんていうか……
○○の引夢:もし君も無剣なら、さぞ似たような力があるのでしょう。
○○の引夢:ふふ、はてさて五剣の境の行方はどうなるのだろうね?楽しみにしているよ。
○○の引夢:なぜなら、今みなを率いているのはもう昔の君ではない。
○○の引夢:過去は大事だけど、拘りすぎては前には進めない……
○○の引夢:わかったかな?
○○の引夢:自らの境界をより高みへと昇華させたいのなら、想像を超えるような挫折がいくつも待っているでしょう。
○○の引夢:一時的な挫けや迷いは、悪いこととは限らないよ。
○○の引夢:それは人を冷静にさせ、自らを見つめ直すための絶好の機会となるのだから
判詞
種々の綺麗な音色に心が揺れる
書からは人の性格が見え
奏でる音楽が人を夢から目覚ます
独りで起きて漸く仙人へと
または荘氏のように蝶と化する
曲が止まりて山々に問いかけるが
まだ人の体を捨てるのに恐れる
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